kintoneの一覧を印刷する方法3選|崩れる原因と解決策
「kintoneの一覧を印刷したら、メニューまで印刷されて表が途中で切れた」——ブラウザの印刷をそのまま使うと、ほぼ確実にこうなります。
会議の5分前に崩れた紙を握りしめる、棚卸しのたびにExcelへ書き出して整形する。多くの現場が毎週・毎月くり返している作業です。私たちはkintoneプラグインの開発元として、この「印刷できない」相談を数多く受けてきました。本記事は2026年7月時点の仕様に基づいて、原因と解決策を整理します。
一覧(表)を印刷する機能は、そもそも存在しません。この記事では、崩れる原因 → 標準機能でできること → 解決方法3つの比較、の順で解説します。
- ブラウザ印刷で一覧が崩れる技術的な理由
- 標準機能でできる印刷と、できないことの境界線
- 解決方法3つ(CSV書き出し・JavaScript自作・プラグイン)の費用と工数の比較
- それぞれのメリット・デメリットと、導入前に確認すべき注意点
- 棚卸し・会議配布など現場での活用イメージと、よくある質問への回答
一覧を紙にする業務が定期的にあるなら、総コストではプラグインが最も安くつくケースが多い——これが本記事の結論です。理由を順に説明します。
kintoneの一覧印刷が崩れる原因|標準機能でできること・できないこと
原因:ブラウザ印刷は「画面の複製」であって「紙のための組版」ではない
ブラウザの印刷(Ctrl+P)は、いま表示されている画面をそのまま紙に写す機能です。画面はスクロール前提で作られており、紙の寸法もページの区切りも知りません。
その結果、kintoneの一覧では次の問題が必ず起きます。
- ヘッダーやメニューなど、画面の部品が印刷物に混ざる
- 表がページの途中でぶつ切りになり、行が泣き別れする
- 2ページ目以降に列見出しが入らない
- ページ番号が印字されない(できても環境依存)
- 上から順の連番も振れない
標準機能でできること(まずは無料でここまで)
- レコード単体の印刷:「レコードを印刷する」機能は1件ずつなら整った出力になります。
- CSVファイルへの書き出し:一覧のデータをファイルに書き出し、Excelで自由に加工できます(詳しくは方法1で解説)。
- 紙をやめる:会議がオンライン中心なら、画面共有やPDF回覧に置き換える選択もあります。
標準機能ではできないこと
- 一覧(表)をそのまま印刷用に整える:メニューを除き、用紙に収める機能はありません。
- 連番・ページ番号・全ページの列見出し:紙の資料として最低限ほしい要素が付けられません。
- 棚卸し用のチェック欄:現場を歩きながら☑を付ける紙のリストは、標準では作れません。「歩きながら紙に書き込む」業務は、デジタル化の最後に残る領域です。
kintoneの一覧をきれいに印刷する3つの方法【比較】
方法1:CSVに書き出してExcelで整形する(代替方法・無料)
最も一般的な方法です。手順は次の5ステップになります。
- 一覧画面のオプションから「ファイルに書き出す」でCSVを保存する
- Excelで開き、不要な列を削除する
- 列幅・罫線・見出しを整える(チェック欄が要る場合は空白列を追加)
- 印刷範囲・用紙サイズ・ヘッダーフッターを設定する
- 印刷プレビューで確認して印刷する
メリットは費用ゼロで、レイアウトを自由に作り込めることです。
デメリットは、この5ステップに1回あたり10〜15分かかり、印刷のたびに毎回発生することです。週次の定例や月次の棚卸しで積み重なると、無視できないコストになります。データが更新されるたびに書き出し直しになる点も見落とせません。
方法2:JavaScriptで印刷画面を自作する(無料〜外注)
kintoneはJavaScriptカスタマイズを公式にサポートしており、一覧のデータから印刷用の画面を組み立てて、ブラウザの印刷機能に渡す実装が可能です。
メリットは、ライセンス費用が不要で、自社の様式に完全に合わせられることです。
デメリットと注意点は、見た目以上に実装の難度が高いことです。特に次の3つは、印刷向けWeb実装の定番の難所です。
- 行を切らないページ分割:ブラウザ任せの改ページは行の途中で切れることがあり、行の高さを計算して割り付ける作りが必要になります。
- 全ページへの列見出しの繰り返し:ブラウザによって挙動が異なり、安定させるには工夫が要ります。
- ページ番号の印字:CSSでの制御は主要ブラウザで制約が多く、確実に出すには自前でページを組む必要があります。
ここまで作り込むと開発は数人日規模になり、kintoneのアップデートのたびの動作確認と、作った人が異動したときの属人化リスクも残ります。
方法3:一覧印刷プラグインを使う(ノーコード・3クリック)
プラグインは、kintoneに機能を追加する公式の仕組みです。導入は「ZIPを読み込む→アプリに追加→初期値を設定」の約5分で完了し、以後の利用者の操作は3つだけです。
bstの一覧印刷プラグインでは、棚卸し用に右端へ最大3列のチェック欄(□または空白の記入欄)を追加でき、「棚卸し用」「会議配布用」のように設定へ名前を付けて保存できます。2回目からは呼び出して印刷するだけです。
メリットは速さと再現性、保守を提供者に任せられること。デメリットは年額費用(例: ¥19,800/年)と、レイアウトが製品仕様の範囲に限られることです。
用紙と向きの選び方の目安
意外と迷うのが用紙の選択です。印刷してから「入りきらない」に気づくと手戻りになるため、最初に目安を決めておくのがおすすめです。
どれを選んでも、実寸プレビューがあれば印刷前に仕上がりを確認できるので、紙とインクを無駄にせずに済みます。
| 比較項目 | ①CSV→Excel整形 | ②JavaScript自作 | ③プラグイン |
|---|---|---|---|
| 仕上がり | ◎ 作り込み次第 | ◎ 実装次第 | ◎ 実寸プレビュー |
| 毎回の手間 | 10〜15分 | ボタン操作 | 3クリック |
| 初期費用 | 0円 | 0円〜(外注は数十万円規模も) | 0円(試用30日) |
| 継続費用 | 作業時間 | 保守工数(更新のたび) | 年額ライセンス |
| ページ番号・全頁見出し | 手設定 | 実装難度が高い | 自動 |
| 棚卸し用チェック欄 | 手作業で列追加 | 実装次第 | ワンクリック |
| 属人化リスク | 中(整形手順) | 高 | 低 |
導入前の注意点として、印刷系プラグインを選ぶ際は次の4点を確認してください。
- プレビューの正確さ:プレビューと印刷結果が一致するか(実寸プレビューか)
- ページ分割の品質:行が途中で切れないか、列見出しが全ページに入るか、ページ番号が印字されるか
- データの扱い:印刷処理が外部サーバーを経由しないか(情報システム部門の審査ポイントです)
- 試用の可否:本番相当の一覧で、実際に印刷して確かめられるか
社内稟議・情報システム部門への説明ポイント
有料プラグインの導入に承認が必要な場合は、次の3点で説明すると通りやすくなります。
活用イメージとよくある質問
現場での活用イメージ
一覧印刷がよく使われる典型的な場面を3つ紹介します(特定の導入企業の事例ではなく、想定される代表的な活用パターンです)。自社の業務に近いものがあれば、試用版で同じ形を再現してみてください。
- 棚卸し・現物照合:備品一覧にチェック欄を付けて印刷し、倉庫を歩きながら☑を付けていきます。空白の記入欄にすれば実数の書き込みもできます。
- 会議への配布資料:案件一覧を「会議配布用」の保存済み設定で呼び出し、余白広め・文字大きめ・合計行付きで人数分印刷します。
- 持ち出し・点検リスト:現場作業のチェックリストを出発前に印刷。ネットワークが不安定な現場でも、紙は確実に機能します。
よくある質問
何件まで印刷できますか?
bstの一覧印刷プラグインでは既定で最大1,000件、設定で10,000件まで印刷できます。件数が多い場合は、絞り込んでから印刷する運用をおすすめします。
カレンダー形式の一覧も印刷できますか?
対象は表形式の一覧です。カレンダー形式やカスタマイズビューは対象外です。
請求書のような帳票レイアウトは作れますか?
作れません。一覧印刷プラグインは「表示中の一覧をそのまま、きれいに印刷する」ことに特化した製品です。自由なレイアウト設計が必要な場合は、帳票専用の製品をご検討ください。
業務データが外部に送信されませんか?
送信されません。印刷処理はすべてブラウザ内で完結します。年額プランのライセンス確認で送信されるのは「kintoneドメイン名」のみで、レコードの内容は送られません。
無料で試せますか?
30日間の無料試用版があります。メールアドレスの登録も不要で、ZIPをダウンロードしてkintoneに読み込むだけで全機能を試せます。
まとめ:一覧の印刷は「仕組み化」した瞬間にコストが消える
- kintoneに一覧の印刷機能はなく、ブラウザ印刷は「画面の複製」のため必ず崩れる
- まずはCSV→Excel整形で回るか試す。毎回15分のコストが許容できるなら、それで十分
- 定期的な印刷業務があるなら、内製体制があればJavaScript、なければプラグインが総コスト最小
- 選定時は実寸プレビュー・ページ分割の品質・外部通信なし・試用可否の4点を確認する
- 迷ったら、まず30日の試用で「いつもの一覧」を実際に印刷して仕上がりを確かめる
最後にひとつだけ。印刷は「なくすのが理想」と言われがちですが、棚卸しや点検のように紙が最速の現場は確かに存在します。なくせない印刷なら、せめて毎回の手間をなくす——それがこの記事の提案です。
bstの一覧印刷プラグインは、この記事で挙げた選定ポイントを満たすように作られています——実寸プレビュー、行を切らない自動ページ分割と「1 / n」のページ番号、棚卸し用チェック欄、設定のプリセット保存、そして業務データの外部送信なし。30日間・登録不要で試せます。製品ページでは列の選択や用紙の切替をブラウザ上のデモで実際に操作できますので、まずは触ってみてください。
一覧印刷プラグインを見る →
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